Gemini CLI サブエージェント機能の登場により、AIコーディングツール選びの選択肢がさらに広がりました。「無料で試せるAIコーディングツールはないかな」と探していたとき、Gemini CLI に出会った方も多いのではないでしょうか。筆者もそのひとりです。最初は Claude Code を触り、その便利さに驚いたものの、料金が気になって無料で使えるツールを探し始めました。そんな折、2026年4月15日に Gemini CLI サブエージェントが正式発表されるという大型アップデートが届きました。
この記事では、次の3点をまとめます。
- Gemini CLI のサブエージェント機能の仕組みと使い方
- Claude Code・Codex CLI との設計思想の違い
- 用途・予算別のツール選び方ガイド
関連する AI コーディングツールの基本については、生成AI カテゴリの記事一覧もあわせてご覧ください。

Gemini CLI サブエージェントとは?2026年4月に登場した新機能
2026年4月15日に発表されたマルチエージェント機能
Gemini CLI のサブエージェント機能は、2026年4月15日に Google Developers Blog で正式発表されました。これは、メインエージェントが複数の「専門サブエージェント」にタスクを委譲(デリゲート)する仕組みです。つまり、ひとつの AI が何でもこなすのではなく、役割分担によって効率と精度を高めるアプローチです。
従来の Gemini CLI は単一エージェントとして動作していました。そのため、長い会話を続けるとコンテキストが膨らみ、応答精度が落ちることがありました。サブエージェント機能はこの課題を解決します。(参考:Subagents have arrived in Gemini CLI – Google Developers Blog)
5つの主な特徴
サブエージェント機能の主な特徴は次の5点です。
- コンテキストの分離:各サブエージェントは独立したコンテキストとツールセットを持ちます。そのためメインセッションのコンテキスト肥大化・汚染を防ぎ、高速で正確な動作を維持できます。
- 並列実行:複数のサブエージェントを同時に動かせます。例えば、
@frontend-expertと@backend-expertを並列で呼び出し、フロントエンドとバックエンドのテスト修正を同時進行できます。 - 明示的な呼び出し構文:
@agent-name <prompt>という直感的な記法で、特定のサブエージェントを呼び出せます。 - カスタムエージェント:YAML フロントマター付きの Markdown ファイルを書くだけで、プロジェクト固有のエージェント(例:
@my-project-deployer)を作成できます。 - 組み込みエージェント:
generalist(汎用)・codebase_investigator(コード調査)・cli_help(CLIヘルプ)が標準提供されています。
実際の呼び出し例
以下は実際の呼び出しコード例です。シンプルな構文で、複雑な操作が実現できます。
# コードベース調査員を呼び出して認証フローを分析
@codebase_investigator 認証フローがどのように実装されているか、主要なファイルをリストアップして解説してください。
# 並列実行でフロントエンドとバックエンドのテストを同時に修正
@frontend-expert /test/frontend --fix &
@backend-expert /test/backend --fix &
特に並列実行は強力です。従来は「フロントエンドのテスト修正 → 完了を待つ → バックエンドのテスト修正」という逐次処理が必要でした。一方で、サブエージェントを使えば両方を同時に動かし、待ち時間をゼロにできます。

Claude Code・Codex CLI との違いを比較
オーケストレーション方式の違い
3つのツールはいずれもマルチエージェント機能を持ちますが、その設計思想は大きく異なります。
Gemini CLI はトップダウン型です。開発者が「どのエージェントを呼ぶか」を @agent-name 構文で明示します。そのため、動作の見通しがよく、初心者にも理解しやすい設計です。
Claude Code は自律ループ型です。単一の高度なエージェントが「思考→決定→実行→観察」のサイクルを自ら回します。「Dev Team」モードではエージェントが自律的にチームを編成しますが、開発者からはブラックボックスに見えやすいという側面もあります。
Codex CLI はローカル PC でも実行可能ですが、OpenAI 管理のクラウド環境での実行にも対応しています。クラウド実行時はローカル環境から切断しても処理が継続するのが大きな特徴です。(参考:OpenAI Codex – OpenAI Blog)
AIコーディングツール 比較表:Gemini CLI vs Claude Code vs Codex CLI
3ツールを主要な観点で比較します。(※2026年4月現在の情報)
| 特徴 | Gemini CLI | Claude Code | Codex CLI |
|---|---|---|---|
| 設計思想 | ローカルファースト・拡張性 | 高度な自律性・コード品質 | ローカル&クラウド対応・セキュリティ重視 |
| アーキテクチャ | TypeScript(OSS) | プロプライエタリ | Rust + TypeScript |
| マルチエージェント | サブエージェント(明示委譲) | Dev Team(自律編成) | Agent Teams |
| コンテキスト上限 | 100万〜200万トークン | 20万〜100万トークン | 12.8万〜20万トークン |
| 独自機能 | Google Search統合・PTY Shell | Routines(オフライン実行) | execpolicy・クラウド永続実行 |
| ライセンス | Apache 2.0(OSS) | プロプライエタリ | コアは非公開 |
| 無料枠 | 1日1,000リクエスト | なし | なし |
| 有料プラン | AI Pro $19.99/月〜 | Pro $20/月〜 | ChatGPT Plus $20/月〜に含む |
| 向いている用途 | 巨大コードベース調査・日常開発 | 大規模リファクタリング・高精度要求 | CI/CD組込・厳格なセキュリティ環境 |
(参考:Claude Code Overview – Anthropic / Gemini CLI – GitHub)
Gemini CLI サブエージェントならではの3つの強み
200万トークンのコンテキストウィンドウ
Gemini CLI の最大の強みは、200万トークンという圧倒的なコンテキストウィンドウです。これはモノレポのような巨大なコードベース全体を一度に読み込ませることができる規模です。
具体的には、ファイル間の依存関係を「推論」ではなく「直接参照」で解決できます。Claude Code の最大100万トークン、Codex CLI の12.8万〜20万トークンと比べると、その差は歴然です。大規模プロジェクトでの調査タスクには特に有効です。
Google Search 統合でハルシネーションを抑制
Gemini CLI は google_web_search ツールをネイティブに統合しています。そのため、モデルの知識カットオフより新しい API 仕様やライブラリ情報も、リアルタイムに Web 検索で取得できます。
例えば「このライブラリの最新バージョンの破壊的変更点は?」といった質問に対し、古い学習データに基づく誤情報(ハルシネーション)を防げます。実際に最新情報が必要な場面では、他のツールより信頼性が高いです。
PTY Shell と完全オープンソース
PTY Shell(仮想端末)機能により、vim でのファイル編集や対話型インストールスクリプトなど、通常の CLI 自動化では困難な操作もエージェントが実行できます。これは他のツールにはない独自機能です。
また、Gemini CLI は Apache 2.0 ライセンスで完全公開されています。そのためコードを読んで仕組みを学んだり、独自機能を追加したりすることが自由にできます。OSS のエコシステムに貢献したいエンジニアにも魅力的です。(参考:Gemini CLI リポジトリ – GitHub)
価格と無料枠:3ツールの料金比較
AIコーディングツールを選ぶ際、コストは重要な判断軸のひとつです。特に個人開発者や学習用途では、無料枠の有無が導入のハードルを大きく左右します。以下に各ツールの料金体系をまとめます。(※2026年4月現在)
| ツール | 無料枠 | 有料プラン(最低価格) |
|---|---|---|
| Gemini CLI | 1日1,000リクエスト(Googleアカウントのみ) | Google AI Pro $19.99/月〜 / APIキー従量課金 |
| Claude Code | なし | Pro $20/月 / Max $100〜$200/月 |
| Codex CLI | なし | ChatGPT Plus/Pro $20/月〜(プランに含む) |
つまり、Gemini CLI は Google アカウントさえあれば、今日からすぐに無料で使い始められます。一方、Claude Code と Codex CLI は有料プランへの登録が必要です。そのため、「まずコストゼロで AI コーディングを体験したい」という方には、Gemini CLI サブエージェントを含む Gemini CLI が最有力の選択肢です。
なお、Claude Code の料金詳細については公式ドキュメントで確認できます。(参考:Claude Code Overview – Anthropic)
どれを選べばいい?AIコーディングツールの使い分けガイド
こんな人には Gemini CLI がおすすめ
- 無料で AI コーディングを始めてみたい
- 大きなコードベースを一気に読ませて調査したい
- Google Search 統合でハルシネーションを抑えたい
- OSS に興味があり、ツール自体をカスタマイズしたい
- Gemini CLI サブエージェントで複数の専門エージェントを使い分けたい
こんな人には Claude Code がおすすめ
- 複数ファイルにまたがる複雑なリファクタリングを任せたい
- アーキテクチャ設計のレビューなど高精度が絶対必要な業務で使いたい
- PC オフライン中もバックグラウンドでタスクを実行させたい(Routines 機能)
こんな人には Codex CLI がおすすめ
- CI/CD パイプラインに AI エージェントを組み込みたい
- 金融・医療など、セキュリティポリシーが厳格な環境で使いたい
- すでに ChatGPT Plus/Pro を契約しており追加コストをかけたくない
筆者のおすすめ:ハイブリッド運用
実際に AI コーディングツールを使う開発者コミュニティでは、「普段使いは Gemini CLI、難易度の高いタスクは Claude Code」というハイブリッドな使い分けが広まっています。筆者も同様の運用をしています。
具体的には、日常のコード調査・ドキュメント作成・簡単な実装は Gemini CLI サブエージェントを活用して対応します。そして、大規模リファクタリングや設計の相談が必要なときだけ Claude Code を使う形です。このように役割を分けることで、コストを抑えながら高品質な開発体験を実現できます。
AWS や クラウド開発との組み合わせについては、AWS カテゴリの記事一覧も参考にしてください。
参考資料
- Subagents have arrived in Gemini CLI – Google Developers Blog
- Gemini CLI – GitHub Repository
- Claude Code Overview – Anthropic 公式ドキュメント
- OpenAI Codex Announcement – OpenAI Blog
- Reddit – Gemini CLI Community
あわせて読みたいおすすめ書籍
Gemini CLI・AIエージェント・LLMエンジニアリングをさらに深く学びたい方に、実践的な書籍を2冊紹介します。
まとめ:Gemini CLI サブエージェントで AI コーディングの可能性が広がった
この記事では、Gemini CLI のサブエージェント機能と、Claude Code・Codex CLI との違いを解説しました。要点を整理します。
- Gemini CLI のサブエージェント機能は、
@agent-name構文による「明示的な委譲」モデルで、開発者にとって見通しのよいマルチエージェント設計 - Claude Code は自律ループ型、Codex CLI はローカル・クラウド双方に対応したセキュリティ重視型と、それぞれ設計思想が異なる
- Gemini CLI は無料枠・200万トークンコンテキスト・OSS の三拍子が揃っており、入門にも最適
- 「普段使いは Gemini CLI、難しいタスクは Claude Code」のハイブリッド運用が現実的な最適解
- AIコーディングツールは1つを選ぶより、用途に応じて使い分ける時代になってきた
まだ Gemini CLI を試したことがない方は、Google アカウントだけでゼロコストから始められます。ぜひこの機会に、サブエージェント機能を使った AI コーディングを体験してみてください。
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